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争点と証人尋問について [交通事故民事裁判]

ここまでで物損、人的被害、保険会社対応など、裁判に至るまでを説明したと思う。

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□受理

訴訟に至るまでは前回も説明したが、弁護代理人として弁護士を雇い、訴状を提出して受付が済んだことを示すのがこの民事事件受付表となる。

事故が川崎市内で起きている為、横浜地方裁判所川崎支部での案件となる。小耳に挟んだ情報では、横浜支部は事故に慣れた裁判官が幾人もおり、川崎支部は…。

そして裁判とは原告が訴えを行い、被告がそれを否定するからこそ、公的な機関での判断を仰ぐこととなる。この点を争点と呼ぶ。まあ大体の事故は過失割合と後遺障害になる。

当方の訴えとしては、

過失割合:1:9(損保会社提示)、後遺障害の等級は併合6級(第三者機関による認定)、それに見合う慰謝料と逸失利益の支払いと言う、至って当然の権利である。

上記を認めず、支払いを拒否する損保会社の為、訴訟を起こす事となっている。

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□争点その1過失相殺

争点の一つ目、過失の割合だが自社で1:9を提示したにも関わらず、支払いが高額となると判断した途端、4:6であるというおかしな主張へと変化する損保会社。

当然ながら、事故の状況を鑑みても1:9が妥当であるし、損保会社からの提案(物損及び最初の慰謝料掲示時点)も当初はそうだったのだが、この手の平返しである。

なお、上記だけ抜き出しているが、その前段には如何に被告が悪くないか、原告に問題があるかなどをこじつけるだけの長文が続く為に、結論だけを抜粋する。

そもそも、本当に4:6であるというならば、物損と初期の提案は何だったのか?

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□争点その2高次脳機能障害

次いで争点その2となる、後遺障害…高次脳機能障害について、難癖をつけ始める。

要は、上肢の不具合である12級は認めるが、高次脳機能障害は認められない。よって労働能力の喪失率は14%である、という理屈。最初は45%で掲示して来たよな?と。

なお、詳細についてはまた割愛とする。基本的に損保側の主張は少しでも難癖をつけ、被告の主張通りにはならなくとも、少しでも原告を削ろう、と言うだけなので。

実際、高次脳機能障害が無いと断じる医療所見は無い。そもそも、事故後の診断にはきちんと高次脳機能障害に関する記述があり、再診断も何もなされていない。

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□救急病院より裁判所への回答その1

だが、敢えてこの場では「緊急搬送病院の回答」を載せておく…まずは傷病名。

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□救急病院より裁判所への回答その2

次いで傷病により発生した、機能回復の為のリハビリの実施について。

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□救急病院より裁判所への回答その3

最後に後遺症及び機能障害残存についての有無と内容が記載されているので、抜粋して記載しておく。現状ではこれが全てであり、他の医学的根拠が示されてはいないのだ。

ここまでの状況で不利になる点は無い。が、ここに来て損保会社が原告及び原告の妻に対しての尋問を強固に主張、裁判官もそれを認めた為に尋問が認められてしまう。

『高次脳機能障害』が認定されてよりまだ日が浅く、医療関係者ではない裁判官に所見が無い事を悪用し、「さほど重い障害では無いのでは」と思わせたいのだ。

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□証人尋問

損保会社の企みにより、横浜地裁川崎支部へと召喚される事になる。

妻、私を合わせて二時間程度、原告弁護士と被告弁護士よりの質疑応答が為され、後に裁判官の和解案・判決などに影響する印象付けが為される用にと言う目論見だろう。

基本的には事実をあるがままに語り、当然ながらこちらからも損保会社の印象が悪化する様に、如何に辛い思いをしているか、その上で非道な対応であるかを語る。

質疑応答の終盤、「あなたは原付以外にもオートバイに乗られていますか?」との質問。

後述する「行動調査報告書」には原付での行動調査しか載せられておらず、大型バイク(W650)には触れられていない。思わず肯定しそうになるが、これは罠である。

尋問中、虚偽の申告があった場合、それまでの証言が無効となる、という罠があるのだ。

仕方が無いので、裁判官の印象が変わろうともその旨を認める。高次脳機能障害を負ってもなお、普段の生活で運転をしている例などいくらでもある。

なお、この尋問が裁判官の印象を決める事を危惧し、予め、想定される質問の回答内容の用意や、原告側からの印象付けを行う回答の練習など、かなりの時間を割いたりもした。

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□鶏煮亭ようすけ

上記の諸々を終え、自分たちが対応できる中での最善の対応が出来た…と思えたし、以降はもう弁護士の先生と裁判官の良識を信じる他は無い事態となる。

余りに疲れたので支部の直ぐ近くにある鶏煮亭ようすけへ…濃厚鶏白湯に癒される。

今回の尋問はあくまで裁判官への印象付け、現時点で提出されている証拠については覆せるだけの論拠はないハズ…と言う事で、一先ず、一段落と心を落ち着ける事にする。

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